ツバメはココナッツを運ぶ
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2005年04月27日

読書 ブラッドタイド

メルヴィン・バージェス 創元推理文庫
今読んでます。読み終わってないけど、感想を書いてみたいと思います。
荒廃したロンドンを舞台にヴォルスンガ・サガをモチーフにした話で、同盟を結んだギャングに裏切られた、ギャングの姉弟が復讐するという話なのですが…
以下ネタバレの感想文。

ロンドンを支配する2つのギャング勢力がありまして、主人公のシグニーとシギーの父、ヴァル・ヴォルソンが率いるヴォルソン一家と、対立するコナーの一族。シグニーがコナーに嫁ぎ、政略結婚という形で両者は同盟する所から話は始まります。
最初のうちは、何が起こるのかという期待を持たせてくれる話の進み方で、どんな事件が起こるのかとわくわくしながら読み進んでいたのですが(比べるのもなんですがグインサーガより全然面白い文章だったし)、中盤を過ぎた辺りから話がだれて、だんだんつまらなくなってしまいました。
同盟も早々にコナーは同盟を裏切ってヴァルを殺し、シギーと兄弟たちを獣人(ロンドンの周辺に住むミュータント。遺伝子操作で作られる)の餌にします。シギーはチェリーという猫人(猫、鳥、人に変身できるが、獣人とは違うらしい。シグニーのペットだが、変身能力を生かしてシギーと接触したりスパイ活動したりする)の手を借りて獣人から逃げ出しますが、その過程で顔を文字通りボコボコにされ、負傷と飢えで長いこと不遇の時をすごします。
その頃シグニーも、この混乱で両足の腱を切られ歩けなくなり、またヴァルと兄弟が殺されたことを知って、復讐心と絶望の間を彷徨いつづけます。
シギーはシグニーの援助を受けられるようになり、飢えを脱しますが、顔をボコボコにされ二目と見られなくなったコンプレックスと、過酷な生活の反動から、コナーに対するレジスタンスへの誘いも断りつづけて、目的も無くふらふらと生活を続けます。この辺からだんだん読むのが苦痛になってきたのですが、ラストも近いし、何か動きがあるだろうと我慢してました。しかし、次の一節が止めを刺してくれました。

しかしシギーは動こうとしない。彼の望みは、干渉されずに勝手に生きていくことだけなのだ。彼の人生は彼一人のものではないのに。この物語は彼を中心に動いているというのに。

なんと言う事か。あろうことか地の文を使って主人公を非難するなんて…
この一節で、この話を読みつづけるのが堪らなく面倒に感じてきてしまいました。そんなことを思うなら話を動かせよ作者。と読んでて思うわけです。この調子じゃあ、この後逆転劇があると期待しても、読んでいて溜飲が下がるものじゃなさそうだと思ってしまいます。残りの厚さは4分の1もないですが、何かこれ以上読む気が全然ありません。

地の文でキャラクターにつっこみを入れるというと、京極夏彦の「どすこい(仮)」を思い出すなぁ。

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